ギックスの本棚/リアルスタートアップ ~若者のための戦略的キャリアと起業の技術~
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- POSTED : 2014.02.08 09:23
f t p h l
「当たり前」を振り返る一冊
「概念論」は読み手の力量に大きく左右する
本にはいくつかのタイプが存在しています。「最新事例やトレンドを紹介していくもの」、「具体例な事例や考え方などを割と細かく紹介、説明していくもの」、そして「比較的概念的な考え方(ハイレベルのコンセプト)を紹介していくもの」、「広く浅く網羅するもの(辞書的な位置づけ)」。
そして、本に対する期待として、「内容全てが自分に取って有益であることを望む人」「一部でも有益なら十分と考える人」の2タイプがいると定義した場合に、私は後者のタイプに属します。
私は本に対してその内容が100%全て有用な物であるとは期待しておりません。そのように捉えると、どんな本であれ、一文たりとも参考にならない本は存在しないと考えています。逆に言えば、2,000円前後の値段でその道のエキスパートが考えている内容を大なり小なり垣間みる事ができるのことは、投資対効果的で見ればもの凄くお得であると考えられます。
本書もAmazonレビューでは決して良い評価を得ている訳ではなさそうです。内容が概念論過ぎると言うのがその多くの理由のようです。確かに本書は概念論が大半ですが、私のこのような本に対する期待は大きく2つあります。
一つ目は、まず最初にざっと読む事で大枠を理解して行くと言う事です。ある意味特定の領域に深堀りしていないために、最初に概要を知るためにざっと読んで自分なりに全体を理解する事に価値を求める場合です。
もう一つは、自分がその領域の”ど真ん中”をまさに実行している際に、視野が狭くなっている事もあり、再度客観的に全体像を確認したい場合になります。
後者の「既に立ち上げて四苦八苦した後に頭の整理のために読みなおす」場合は、『3章 そのビジネスは成り立つのか?』だけを読むので十分と考えます。
事業の振り返りに使える7つのチェックポイント
『事業計画のまとめ』として7つのポイントが記載されていますが、とても基礎的な内容だからこそ、客観的に確認する意味合いでもこれらを活用する事ができます。
1. 経営陣成功している企業の多くは「チームが良かったから」が重要な要素。妥協せず最高の仲間を集める。 2.ビジネスコンセプト顧客のどんな課題を解決しようとしているのか?物からではなく、世の中の解決したい問題から入る。 エッジの効いたコンセプトは理路よりもアートに近い。3.市場と事業機会”誰”の何を解決しようとしているのか?自分のお客さんのイメージを明確に持っている事。 急成長や急変化などの動きがある市場。4.ビジネスモデルそのお客さんはなんでお金を払ってくれるのか?ビジネスモデルは数字で考える。本当にそんな数の顧客がいるのか? 顧客はその金額を払ってくれるのか?
その金額(コスト)で事業が回るのか? VCは小さくても一つのビジネスが回っているか、大量の顧客がいるビジネスが好き。 5.市場参入戦略どこで売るのか? 「”誰”の何を解決しようとしているのか?」の誰との接点は?6.競合競合は定義の問題。機能や価値で被っていれば=代替可能であれば競合の可能性あり。 7.競争優位性とリスク差別化は顧客に提供できる価値から考える。差別化は、「摸倣されないか」「特許で守られているか」「今後その技術がどのように変化するか」なども考える。 リスクをすぐに3つくらい言えないとそのビジネスはやめた方がよい。
私はこれら7つの項目を定期的にチェックするようにしています。
ちなみに、手前味噌ですが、1の経営陣は後から振り返っても、大成功の最強のチームができたと自画自賛しています。(笑)
他の項目は後からでも次々に修正して行くべきポイントであるため、ふとした拍子にこれらをチェック項目として振り返ると毎回新たな発想が浮かんでくるため、非常に重宝しております。
同じ本であっても人によって使い方が千差万別ですが、私はチェク項目として位置づけて使っています。
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