読み較べビッグデータ⑦:ビッグデータの衝撃 巨大なデータが戦略を決める

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ビッグデータの衝撃

個人的には今まで読んだビッグデータ本の中で一番表紙がイケてると思う「ビッグデータの衝撃」をご紹介します。

ビッグデータの衝撃――巨大なデータが戦略を決める

 

全体の構成

  1. ビッグデータの定義と隆盛の背景
    定義は3Vを軸に解説
    隆盛の背景として、ハードウェアとソフトウェア価格の下落、クラウド技術の進歩などを紹介
  2. テクノロジーと理論
    ハドゥープ、NoSQLデータベースを軸に連携するMapRなどの周辺サービスの紹介。章の後半では、機械学習や回帰分析といった理論、セマンティック検索といった自然言語処理関連の理論をキーワード別に解説
  3. ビッグデータの活用事例
    海外と日本国内の事例に章を分けて、事例毎に「何ができるようになったか=効果」と「なぜそれができるようになったか=技術」を解説
  4. 活用の分類とレベル
    活用事例を「個別最適/全体最適」と「リアルタイム型/バッチ型」の2×2のマトリックスに分類し、活用レベルとして「過去と現状の把握」〜「最適化」までの4つステップについて説明
  5. 今後の展望
    取り組むべき課題として、プライバシーと人材不足を挙げ、プライバシー問題では各省庁の取り組みを紹介し、人材不足に関しては教育制度に対する提言を説明
    今後はデータや分析環境が整備され、分析結果をビジネスに反映させることで競争優位性を確立する企業が増えるという予測を説明。

 

この本の独自性

事例の解説レベルが他の本より深いため、テクノロジーの活用方法が理解しやすいです。

他の本と紹介されている事例自体はあまり変わりませんが、裏側の技術、「なぜこれができるようになったのか」がより細かく説明されています。事例を深く理解するのにも役立ちますし、「実際にハドゥープってこうやって使われるのね!」という見方で技術の理解を深めることにも役立ちました。

感想

2012年7月発行ということもわり、比較的事例やテクノロジーが新しくかつ、深く記載されています。その一方で広く深いので、情報量がとても多いです。前回ご紹介した「ビッグデータビジネスの時代」を入門書とするなら、こちらはより理解を深めるための一冊という印象です。

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