人ごとの「レシート枚数」から「優良顧客」を判断する|レシートから考えるPOSデータ分析(12)
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本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
「1レシート」を「1購買」と置き換えて考えると、顧客の「購買頻度」が見えてくる
「1レシート」=「1購買」
以前の記事『会員番号から複数のレシートを紐づけ”ID-POS”を作る|レシートから考えるPOSデータ分析(10)』では、会員番号により複数のレシートを紐づけられるということを書きました。この記事中では、レシートを紐づけることで次のようなことがわかると書きました。
- 4月の購買回数は3回
- 4月の購買額に合計1,156円
- 4月の1回あたりの購買額は385円
- 4月に利用した店舗数は1店舗
ここで、4月の「購買回数」と書いていますが、これは4月の「レシート枚数」と同じ意味になります。「1レシート」=「1購買」であり、これは、レシートが購買の証明として発行されるものだからです。
なお、この「購買回数」ですが、レシート例のコンビニエンスストアをはじめ多くの小売店では、「来店回数」と言い換えることもできます。来店したが購買しなかった場合はこの「来店回数」には含みませんが、購買した客のみを来店客と定義するのであれば「来店回数」と考えても差し支えないでしょう。
人ごとの「レシート枚数」は「購買頻度」を表す
さて、「レシート」を「購買」と置き換えて考えるメリットは、人ごとの「レシート枚数」を「購買頻度」ととらえることができる点にあります。「レシート枚数」を集計する際には「月ごと」や「年ごと」といった決まった期間で集計しているはずなので、その決められた期間に何度購買したか、すなわち「期間内の購買頻度」を表すことになります。
購買頻度は、POS分析を行う上で重要な指標です。この重要な指標を人ごとの「レシート枚数」で置き換えることができます。例えば、店舗間で「客一人あたりのレシート枚数」を比較すれば、高頻度購買客が多い店舗と少ない店舗に分類することができるでしょう。また、記事『会員番号を介してレシートと会員情報を紐づける|レシートから考えるPOSデータ分析(11)』で書いたように会員マスタの会員データと紐づけて性年代別の「客一人あたりのレシート枚数」を求めれば、購買頻度の高い客層を見出すことができるはずです。さらには、「レシート枚数」別に会員を分類(セグメント分け)し買われた商品のランキングを見れば、高頻度購買客に人気の商品を明らかにすることができるかもしれません。
記事『RFM分析とは:購買行動で顧客を分類し、理解する|データ分析用語を解説』に書きましたが、購買頻度が高ければは必ずしも優良顧客であるとは限りませんが、購買頻度が優良顧客度を計る重要な指標の1つであることに違いありません。人ごとの「レシート枚数」が優良顧客を判断する材料の一つとなりうるでしょう。
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