人流分析(People-Flow Analysis / People-Counting Analysis)とは|データ分析用語を解説
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- POSTED : 2015.03.26 11:45
f t p h l
本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
リアルチャネルを「web」のように分析するための秘策
本日は「人流分析(じんりゅうぶんせき)」について解説します。
人の流れ(People-Flow)を把握する
人流、とは、読んで字の如し。「人の流れ」のことです。
人がA地点からB地点へ移動する際のルートのことを「導線」と言います。人流は、この「導線」と非常に似ている概念ですが、人流と言うときには、もう少し「人の集合体(カタマリ)としての動き」を意識しているように思います。
小売店の場合であれば、【お客様X】が店舗に入ってきてからレジに向かうまでの「導線」と、【お客様Y】の「導線」と、【お客様Z】の「導線」を全て組み合わせて、【お客様(X,Y,Zの集合概念)】はどのように動いていたのか、と考えるのが人流分析と言えるでしょう。
人流が分かると、何が嬉しいのか
では、人流分析を行うと、何が「嬉しい」のでしょうか。「嬉しさ」のタイプ別にみてみましょう。
人の流れが「分かるだけで嬉しい」領域
まずは、人の流れ・動きが分かること自体に意味がある領域です。
- レジや、ホテルの受付、レストランのバイキングなどの「混雑状況」「滞留状況」
- 美術館、博物館、水族館などの「人の流れ」「展示品別の滞留時間」
- テーマパーク、公園などの「エリア別の人の多さ」「人の流れ」
これらは、「人の動きそのもの」に意味があります。特に、ひとつめの例は「目的達成のための手段としての滞在・動き」ですので、”長い・多いと顧客満足度低下に直結する”という分かりやすい指標になります。
人の流れが「因果の”因”」になる領域
あるいは、人の流れ・動きが「因果の”因”」つまり、「ある事象の原因」になる領域もあります。
- スーパーなどの店内回遊状況が、顧客の購買の”原因”となる
- 商店街やショッピングモールの通行量が、各店舗・テナントの入店者数の”原因”となる
- 喫煙室の滞留時間が、労働生産性低下(もしくは向上)の”原因”となる
これらは、因果の”果”であるもの、例えばPOSデータなどと組み合わせて分析することで、より深い示唆を得られます。
人の流れが「因果の”果”」になる領域
その反対に、人の流れ・動きが「因果の”果”」となる領域もあります。
- 天候によって、来店客数が変化する
- 広告やチラシなどによって、来店客数が変化する
- 店内POPなどのインストアプロモーションによって、店内の回遊ルートや滞留時間が変化する
これは、因果の”因”であるもの、例えばインストアプロモーションの実施記録などと組み合わせることが重要です。
仮説立案・検証には「因果」の視点を
このうち、「仮説立案」や「仮説検証」に役立つのは、「因果」にまつわる2領域の分析です。
これまで、リアル店舗を持つ小売業者やサービス事業者においては、顧客の行動分析は非常に難しかったのが実態です。ビジネスとしては後発の「webチャネル」での販売事業の方が、購買に至る前も含めた「行動分析」ができています。
人流分析は、この「webでは当たり前」の行動分析を、リアルの世界に展開できる可能性を秘めているのです。
データ分析用語:索引
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