【gram(グラム)】サービスリリースのお知らせ:クレジットカードの顧客分析をシンプルに
- TAG : gram | ギックス顧客事例 | 提供サービスのご紹介
- POSTED : 2018.12.07 08:15
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「構造的に理解する」ことから始めよう
株式会社ギックスは、クレジットカード会社様向け顧客分析サービス「gram(グラム)」をサービスリリースしました。
gram(グラム)とは?
gramは、クレジットカード会社様の顧客分析のファーストステップとして有用なツールです。
本サービスは、ブラウザベースで提供され、大きく「実態把握」と「シミュレーション」によって構成されています。
実態把握:バケツ図による事業構造分析
まず、カード利用者の実態を「バケツに水を流し込む(新規入会)」および「バケツからこぼれる(退会)」という形で表現した、バケツ図によって把握します。こちらの機能でご確認いただけるのは、以下の情報です。
- 新規顧客の流入状況
- 新規顧客の定着状況
- アクティブ顧客の利用金額/頻度別セグメントの分布状況
- 退会状況
- 上記の時系列変化
このバケツ図により、自社のカードホルダーが、どういう使い方をしているのかを俯瞰し、どこに課題が潜んでいるのかを考えることができます。
例えば、
- 入会3ヵ月後のアクティブ率が低下している
- 3ヵ月後にアクティブだった人は、12か月経過時点でも大半がアクティブである
- 3ヵ月後に非アクティブだった人は、12ヶ月経過時点には殆ど復活していない(非アクティブのまま)
ということが分かったとします。その場合「どれだけ頑張って新規入会をとっても、3ヵ月後にアクティブにできなければ、膨大な新規獲得コストが無駄になる」ということになりますので、「どれくらいの獲得コストが無駄になったのか」を試算することができます。
あるいは、
- 年間利用回数が12回以上の顧客数は横ばい(or微増)
- 年間利用回数が12回を下回るような、あまり使ってくれていないユーザーが増えている
ということが分かった場合には、「新規入会で取った顧客が、年12回以下の ”低利用顧客層” に流れ込んでいる可能性がある」と類推できます。
このように、ユーザーの分布状況を俯瞰し、事業構造を把握することで、自社がどういう課題に直面しているのかを考えていただくことが可能となります。
シミュレーション:機械学習モデルによる定着化シミュレーション
自社の課題を把握したうえで、「年間30万円以上の利用者」を育成するための鍵となる設定・利用目的・利用状況は何か、を機械学習モデルを用いてシミュレーションします。
カードの種類、利用者の基本属性(性・年代)で、30万円以上の利用者と、そうでない利用者の”差異”を計算します。こちらのデモ画面では「デジタルコンテンツの購入」「オンライン(EC)の購入」「アパレルの購入」「web明細の登録」といったものが ”効く” という結果になっています。
また、「単一の要素だけでなく、複数の要素の組み合わせみたい」「既にキャンペーンを行っている特定の要素は”必須”と指定したい」「キャンペーン等で利用促進が難しい事情がある要素は”除外”したい」といった、クレジットカード業界にありがちなニーズも機能として実装しております。
こちらのデモ画面では、「要素の組み合わせ数は4つ」「オンライン/ECは必須」「家族カード、保険は除外」という条件を設定した結果、「web明細登録 且つ コンテンツ購入 且つ 携帯料金引き落とし (+必須の オンライン/EC利用)」という利用状況・登録状況に導くことが望ましい、ということが表示されています。
また、同じ条件で、顧客の基本属性ごとに比較したい、というニーズにも対応しております。
「29歳以下男性」「20歳以下女性」「50歳以上女性」という3つの顧客セグメントを比較した、このデモ画面からは50歳以上の女性層においては「家電量販店」および「百貨店」チャネルでの購買が、利用頻度向上の鍵だと言えそうです。
これらの機能によって、どのような打ち手が、顧客の定着化・利用促進に効果的であるかを、お考えいただくことが可能となります。
gramの由来
gramは、gixo retention analysis map の頭文字をとって命名されました。
map(地図)という言葉の通り、gramをご導入いただくことで、クレジットカード会社様に「利用顧客の実態を捉え、定着化を促進するための”地図”をご提供する」ことを目指しております。
また、g(ぐらむ)は、重さの単位として使われていますので、先述の「顧客の重要度を量る」という意味も込めています。加えて、epigram、telegramなどに使われる -gram という接尾語には、「書き記す」という意味がありますので、重要性を記す、ということにも通じることを踏まえ、命名いたしました。
顧客分析におけるgramの位置づけ
ギックスは、クレジットカードに限らず、金融、流通・小売、電機、通信、製薬、食品、産業機械、交通、飲食等の幅広い業界に経営戦略・事業戦略コンサルティングを提供しています。経営戦略・事業戦略を検討するにあたり、我々がやることは、大きく分けると「事業の実態把握・構造理解」⇒「収益創出のメカニズム解明」⇒「ビジネスの拡大・維持のためのキードライバーの発見」⇒「最適な打ち手の仮説立案」⇒「施策実行結果のモニタリング=仮説検証」⇒「次なる打ち手の模索」という流れになります。
この一連のプロセスを「データ活用診断」として一回転させることが、ギックスのコンサルティングの基本形です。
その中でも、一番最初のステップ「実態把握・構造理解」に関して、クレジットカード事業の分析において、広く適用可能な型を作ることができました。それが【gram】です。
gramを通じて、自社の顧客構造を俯瞰的に捉えることにより、どこに課題が潜んでいるか、その課題をどのように解決していくかのアイデアは出すことができます。
そのうえで、より高度な分析(LTV/NBA評価や、実施した打ち手の効果測定を動的に行う、など)の実施をご希望されるお客様には、上述の「デー
タ活用診断」および、その後続プロジェクトに位置する「事業戦略コンサルティング」や「データ活用の仕組み化」をご提供していきます。
gramは、クレジットカード会社様における、経営戦略・事業戦略検討の、最初の一歩として最適なソリューションだとギックスは考えています。
導入事例のご紹介
既に、本サービスのファーストユーザーとして、株式会社東邦銀行様に導入が決定しております。
東邦銀行様のクレジットカード 【Alwaysカード】の決済データから、カードホルダーの皆様に、より便利に、また継続的にAlwaysカードをご利用いただくことを目指した、適切な施策検討のためのインプットを導出していきます。
株式会社東邦銀行様について
東邦銀行様は、福島県を中心に100店舗以上を展開する、福島県内では随一の規模を誇る金融機関です。
福島県内の企業様および地域経済の更なる発展・成長への貢献を志すのみならず、TSUBASAアライアンスや、みずほフィナンシャルグループと連携し、キャッシュレス決済などの各種フィンテック領域へも積極的に取り組んでいらっしゃいます。
2018年3月に長期ビジョンである「地域を豊かに・お客さまの繁栄のために・私たちの成長で~より大きく・より強く・よりたくましく~」を定め、この実現に向け、2018年4月から2021年3月を計画期間とする新たな中期経営計画「とうほう“健康バンク・健全バンク”計画」をスタートし、グループ一体となって各種施策に取り組んでおります。
(中略)
当行は、地方銀行7行が参加する広域連携の枠組みである「TSUBASAアライアンス」に加盟しており、API共通基盤の開発に着手するなど、フィンテックへの取組みを着実に進めております。現在、「TSUBASA基幹系システム共同化」への参加に向けた検討を行っており、2019年度上期中を目途に参加を正式決定してまいります。
また、2018年6月より株式会社みずほフィナンシャルグループ・株式会社みずほ銀行と共同で富岡町においてキャッシュレス決済の実証実験を開始しました。当行は、今後も地域・お客さまの決済の利便性・効率性の向上に取り組んでまいります。出所:東邦銀行公式サイト -ごあいさつ‐ (2018年12月時点)
今後の展開について
サービス導入に関して:
現在、いくつかのクレジットカード会社様にて、導入の検討が進んでおります。
販売パートナーに関して:
販売パートナーとして、サービス開発からご支援頂いた DNP 社にご支援頂いております。
また、その他、複数の事業者様と販売パートナー契約の締結に向けてお話を進めております。
本件に関するアップデート情報は、本サイトにて継続的に発信させていただきます。
本件に関するご質問・ご相談は、お問い合わせページ(もしくは下段のお問い合わせボタン)よりご連絡ください。
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