なぜ、いきなり完璧を目指すのか?|分析力アップはステップバイステップ!

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本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

そんな難しいこと言うから、みんな腰が引けちゃうんですよ!

「うちの社員は分析ができない」というお話を耳にすることがあります。かと思うと「そんなのは分析じゃない・データサイエンスじゃない」という叱責の声も巷を飛び交っています。今日は、そのあたりについて考えてみたいともいます。

何が、どの程度できたら「分析ができる」のか

果たして、分析ができる、とはなんでしょうか?いったい、何が、どの程度できたら「分析ができる」と言えるのでしょう?
そもそも、会社や部門によって、求められる「分析」のレベルはマチマチです。(あるいは、大学の研究室などにいったら「分析」という言葉の意味も変わってしまうでしょう。)

機械学習や統計学を理解していないと分析ができないのか?

世の中には、機械学習というものがあります。あるいは、統計というものがあります。それらを理解していれば、分析ができる、のでしょうか?(関連記事:機械学習とは)
そんなことは無いです。それだけでは、あくまでも「機械学習のプロ」であり「統計のプロ」に過ぎません。
世の中には「機械学習が適した領域」というものがあります。また、「統計的に考えていくことに意味がある領域」があります。しかし、世の中のすべての事象を機械学習や統計学で解き明かし、すべての課題を解決することはできないでしょう。(もう少し正確にいうと、永遠の時間と無限のリソースがあればできるかもしれませんが、現実的には不可能と言ってよいでしょう)
特に、ビジネス領域における「分析」ということであれば、分析結果は”中間成果物=OUTPUT”に過ぎず、それをもとに”成果=OUTCOME”を導き出すことが求められています。(関連記事:OUTPUTとOUTCOME
機械学習に関する知識、統計学の知識は、非常に強力な武器です。それを持っているから駄目なんてことはありません。むしろ、可能ならばどんどん身につけるべきです。しかし、それだけでいいのか?というとそんなことは無いと思うのです。

分析のゴールは「ビジネス・インパクト」

企業において「分析をする」という場合、基本的には、その事業=ビジネスになんらかのインパクトを与えることが目的です。
そうすると、統計知識などがなくても、まずは「自分の頭で考える」ということが分析のために非常に重要になってきます。なぜなら「答えるための問い」がなければ「答えを探すことができない」のですから。
では、ビジネス・インパクトを生み出すための分析には、どの程度、何ができたらよいのでしょうか?

いきなり完璧を目指すな

昨今、「仮説思考」という言葉に対して、非常に批判的な言説が散見されます。しかし、これは言葉の定義があやふやなことが問題なだけです。「仮説思考」は、ビジネス運営において非常に使い勝手が良いアプローチです。(これに関しては、姉妹サイトにおいて解説しましたので、興味のある方はご一読ください。)
最も使い勝手が良いのが「最初から完璧を目指さなくてよい」というところです。もちろん、最初から完璧であるに越したことはないのですが、もし完璧でなくても(可能な限り早い段階で気づいて)どんどん修正していけばよいのが仮説思考の基本思想です。ひとことでいえば「”アタリ”をつける」ということですね。
そして、その”アタリ”をつけるためには、そもそも、自らが取り組んでいるビジネス(の構造)を理解していないとできません。

初心者・初学者は「ビジネス視点から攻め込め」

そうなると、最初に取り組むべきは「ビジネス視点を持つこと」となります。そして分析においては「大局観を掴むこと」に取り組んでいくべきでしょう。それだけに限れば、実は「棒グラフ」「折れ線グラフ」をしっかり使いこなすだけで、実務的に意味のある分析ができてしまったりもします。
詳しくは、こちらの連載記事をご覧いただければと思います。

【連載 事業会社の新入社員が知るべき「データ分析」のお作法 記事一覧】

 
この思想に基づいて、graffe.jpでは「分析習熟レベル別レポート配信」というサービスも提供しています。
いきなり高いハードルを設定するのではなく、まずは、手元にある基本的なデータを「ビジネスの視点」で眺めてみることから始めてみてはどうでしょう?

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