するべきなのは「人流分析」なのか?:iBeaconデータ活用指南書(8)
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本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
目次
「そもそも行うべきなのは人流分析なのか?」という視点
この連載は、iBeaconデータ活用指南書なのですが、今回は少し視点を高く変えて、「そもそも行うべきなのは人流分析なのか?」という視点から、より深く、人流分析を行う起点に立ち戻ってみましょう。
「データを取れるから折角なら利用しよう」では、厳しい時もある。
これまで、プロモーション用の計測デバイスと人流計測用の計測デバイスでは配置やデバイスの向き不向きがあり、選定はよく考えなければならないことやデータ取得した後の分析・活用イメージをしっかり持っておかなければならないというお話をしました。というのも顧客行動を追いかけるということは結果指標であるPOSデータの手前の中間指標の分析を行うことに他ならなく、その分析は決して易しいものではないからです。仮説力や創造力を発揮し、PDCAをしっかり回して勝ちパターンを作り上げていく努力が必要であり、しっかりとしたスタート地点から目的意識をもって取り組まないと、データに溺れてしまい、間違った施策にたどり着いたりしてしまいます。
人流分析の前に、POS分析だってやれることがある!
人流分析を行う前に、一つ確認していることがあります。それは、「POS/IDPOS分析は十分にしていますか?」ということです。POS/IDPOS分析は結果指標であるがゆえに、その推移や相違をしっかり分析し、PDCAを繰り返すことで、(深淵の部分で、なぜ顧客がその商品を選んで購入するようになったのかは分からないにしても)売上向上に必ず直結するものだからです。
POS/IDPOS分析の歴史は古く、またツールベンダーも多く存在するために「十分に行っている」という回答を多く聞くのですが、ツールユーザーのスキル依存となる部分もあり、すべての分野で活用しきれている企業にはなかなかお会いできないのが現状です。
また、現在存在するツールベンダーのツールでは、顧客なら顧客、発注なら発注と切り分けたデータベースであったり、特定の施策にのみ対応した分析で企業全体の視点での分析が欠けていたり、必要となるグラフまでの道程が長いこともあったりと、“活用”していく前の段階で疲れてしまう場合も多いと聞いています。
ですが、弊社graffeサービスは分かりやすい見せ方のグラフによってデータの活用が容易となるように設計してあり、これまでのツールベンダーとは一線を画しております。その為、人流分析の御相談を頂いた折には、graffeサービスも合わせてお話しさせていただいております。
目的に立ち戻って考えよう:iBeaconはデータ収集ツールの一つ
さて、本題のiBeaconにもどりましょう。POS/IDPOS分析の重要性もさることながら、人流分析をも活用したいという場合、iBeaconに頑なに拘るのではなく、Cameraを活用するとか、もしくは調査員調査の方がいいのかなど、目的視点で顧客行動分析を考えられることをお勧めいたします。
検証したい仮説や施策アイデア検証であれば、もしかしたらWebアンケート調査で済む問題かも知れません。(つづく)
【連載記事:iBeacon指南書】
第1回:iBeacon(アイ・ビーコン)データを経営に活用せよ!
第2回:人の流れのデータ取得の歴史とデバイスの進化
第3回:iBeaconを人流データ取得デバイスとして使う為に乗り越えるべき壁
第4回:iBeaconの最大の強み「安い」ことを活用する
第5回:大切なのは“精度検証”と“Beacon間の計測差”を整えること
第6回:一口に人流といっても大きく3種類。それぞれ目的に合わせて取得しよう
第7回:結局、大事なのは「人流分析して何をしたいのか?」という問い
第8回:するべきなのは「人流分析」なのか?(本稿)
第9回:日米での人流解析の違いが面白い
第10回:gridならヒートマップもアナリティクスも提供!
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