結局、大事なのは「人流分析して何をしたいのか?」という問い:iBeaconデータ活用指南書(7)
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本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
目次
人流を分析するということの目的には何があるのか
前回は、店外・店内・売場と計測した人流の違いによってデバイスが様々な存在することを紹介しつつ、結局“重要なのは、「どの人流をどう追って、何をしたいのか」という問いになる”ということをお伝えしました。
では、人流を分析するということの目的には何があるのでしょうか。今回はそんなお話です。
人流分析に加えると価値が向上すデータ
実際、当社としても人の流れを可視化するだけでは「ふーん」で終わってしまう場合が多いですとお話ししています。というのも、実際に店頭で数十分観察してみた感覚や自分自身で店内を歩いてみた感覚とそう大きくは外れてこないからです。
その為、お勧めしているのがPOSを紐付けた人流分析です。「買った/買わない」しか分からないPOSとは異なり、「立寄らない」「立寄って買わない」といった“機会ロス”が見えてくることは大きな価値を生む可能性が高い為です。
結局のところ、仮説が無いとデータを活かしきれない
人の流れを可視化するだけでは「ふーん」で終わってしまう場合が多いとお話ししましたが、「ふーん」で終わらせない活用法も実はあります。それは「しっかりと仮説を持っているかどうか」にかかっております。例えば、店舗レイアウト担当者であれば、自分なりの仮説をもって店内をレイアウトしたはずで、「売場Aは自分の仮説通り立寄って貰えた」「売場Bは全然よってもらえない」「売場Cはなんで寄ってもらえているのだろう」など仮説の検証に活用することができ、次の新店レイアウトに反映していくというPDCAサイクルに役立てることは容易でしょう。(POSデータだけでは、売れた/売れないの結果指標であり、MDの影響があり、純粋な意味でのレイアウトの良し悪しが見えない)
また、MDや店内プロモーション担当者、店長であれば、売れなかった原因が、「立寄らなかった」のか「立寄ったけど買わなかった」のかが見えることになり、なにが悪かったかの深掘分析が可能になります。
大切なのは人の流れを見て、何を知りたいorやりたいのか?を考えること
これまで取れなかったデータを取れるようになることは価値がありますし、人の流れ(=顧客行動、顧客動線)が分かることでなにか新たな施策仮説が生まれそうな気がします。ただ、「気がします」というだけで、どのデバイスであっても数十万円から数百万円の投資が必要となるわけですので、「どんな結果がでたら、こうすることで売上向上につなげられる」などと結果が出る前から、データの活用イメージをしっかり持っておくことが人流分析で最も重要なことになります。(つづく)
【連載記事:iBeacon指南書】
第1回:iBeacon(アイ・ビーコン)データを経営に活用せよ!
第2回:人の流れのデータ取得の歴史とデバイスの進化
第3回:iBeaconを人流データ取得デバイスとして使う為に乗り越えるべき壁
第4回:iBeaconの最大の強み「安い」ことを活用する
第5回:大切なのは“精度検証”と“Beacon間の計測差”を整えること
第6回:一口に人流といっても大きく3種類。それぞれ目的に合わせて取得しよう
第7回:結局、大事なのは「人流分析して何をしたいのか?」という問い (本稿)
第8回:するべきなのは「人流分析」なのか?
第9回:日米での人流解析の違いが面白い
第10回:gridならヒートマップもアナリティクスも提供!
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