ソーシャルゲーム分析で重要な『売上に関する3つの方程式』とは?PUR、ARPU、ARPPUとは?|ソーシャルゲーム分析(1)
- TAG : graffe | ソーシャルゲーム分析
- POSTED : 2015.07.21 09:18
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本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)
目次
「売上」を要素分解した3つの方程式から指標間の関係性を捉えよう
本記事では、ソーシャルゲームを分析する上で非常に重要な『売上に関する3つの方程式』を紹介します。
これらの方程式にでてくる指標はソーシャルゲームの分析でも特に重要な指標であり、分析する際には指標間の関係性を理解しておくことが必要となります。「売上」をどの要素に着目して分解した方程式なのかを念頭において、以下の解説をご覧いただくと理解が進むと思います。
なお、これらの方程式にでてくる指標は、ある特定の期間内の集計値です。集計期間の一例としては、日ごとの集計値、月ごとの集計値などあります。
方程式A:アクティブユーザ数に着目して分解した方程式
1つ目の方程式Aは、売上を「アクティブユーザ数」と「売上/アクティブユーザ数」の2つの要素に分解した方程式です。
この「売上/アクティブユーザ数」は、Average Revenue Per Userと呼ばれ、ARPUと略されることが多いです。ARPUは、アクティブユーザ1人あたりの売上額を意味しており、アクティブユーザが1人増えた時の売上額の増分の見込み額と捉えることもできます。そのため、ソーシャルゲームのマーケティングにおいて、1ユーザ獲得するために必要なコスト(CPI:Cost Per Install)と比較されることが多いです。
方程式B:方程式Aをさらに課金ユーザ数に着目して分解した方程式
2つ目の方程式Bは、方程式AのARPUをさらに課金ユーザ数に着目して分解し、売上を「アクティブユーザ数」と「課金ユーザ数/アクティブユーザ数」と「売上/課金ユーザ数」の3つの要素に分解した方程式です。この方程式Bは、多くの運営チームにおいて使用されており、3つの方程式の中でも最も重要な方程式です。
この式の2項目にある「課金ユーザ数/アクティブユーザ数」は、Paid User Rateと呼ばれ、PURと略されることが多いです。PURは、アクティブユーザにおける課金ユーザの割合を意味しています。また、この式の3項目にある「売上/課金ユーザ数」は、Average Revenue Per Paid Userと呼ばれ、ARPPUと略されることが多いです。ARPPUは、課金ユーザ1人あたりの売上額を意味しています。
この、ARPPUとPURを見ることで、そのゲームの課金ユーザの傾向が”低課金率・高課金額”なのか、“高課金率・低課金額”なのかといったことを把握できます。
方程式C:課金ユーザ数にのみ着目して分解した方程式
方程式Aと方程式Bでは、アクティブユーザ数に着目していますが、アクティブユーザ数は様々な外的要因でぶれることが多く、その影響でPURやARPUもぶれることが多いため、ミスリードの原因になることもあります。ミスリードを防ぐためにも、アクティブユーザ数よりはぶれにくい課金ユーザ数に着目して、売上を「課金ユーザ数」と「ARPPU」の2つの要素に分解した方程式Cも併せて使用します。
方程式Bだけでも課金ユーザの傾向はある程度は解釈できますが、方程式Cも併用することでその解釈が進みやすくなると思います。
指標の増減を個々に捉えるのではなく、方程式内のすべての指標の増減を捉えよ
ソーシャルゲームの運用では、今回紹介した「売上」「アクティブユーザ数」「課金ユーザ数」「PUR」「ARPU」「ARPPU」という6つの指標を中心にモニタリングしていますが、各指標の増減を個々に捉えるのではなく、方程式内のすべての指標の増減を捉えることが重要です。
例えば、「売上」が変化していなくても、方程式Bでみてみると「PUR」が下がって、「ARPPU」が上がっているかもしれません。そのような場合、一部のヘビーユーザが課金を繰り返すというモデルになりつつあるという状況が推測できます。
また、「アクティブユーザ数」が増加すると「売上」が増加すると考えている人もいるかと思いますが、方程式Bを見ていただくと、「PUR」と「ARPPU」が変わらない場合だけ、「アクティブユーザ数」が増加すれば「売上」も増加するという関係性が分かります。「アクティブユーザ数」が増加した際には、「PUR」や「ARPPU」の変化まで確認するようにしましょう。
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