レシートとPOSデータの関係|レシートから考えるPOSデータ分析(1)

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本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

レシートを読み解くと、POSの本質が見えてくる

何かを買うと、お釣りとともに「レシート」を受け取りますよね。この「レシート」と、小売業の儲けの源泉となる「POS分析」の関係性を連載形式で読み解いていきます。

レシートとは

レシートとは、ご存知の通り、店で買い物をした時などにもらう支払い代金などが書かれた紙片です。
日本では「レシート」と「領収書」は別物のように扱われていますが、本来は同義であり、店側が代金を”領収”した証として発行する書類のことです。
ちなみに、領収書は英語で”receipt(レシート)”です。
話がそれますが、代金を支払った側からすると、「レシート」「領収書」は代金を支払ったという証拠になります。
コンビニなどでは受け取らない人が多いかと思いますが、レシートが無いと代金を支払ったという証明はできないことになります。
「購入した商品に欠陥があった」等のトラブルに備えて基本的にレシートは受け取っておいた方が良いと思います。

レジスターとPOSシステム

「レシート」と「領収書」は本来は同義と書きましたが、日本では一般的に「レシート」はレジスターで発行された購入品名や代金が書かれた細長い紙のことです。
すなわち、いわゆる「レシート」はレジスターとは切っても切れない関係にあります。
ここで、レジスターの進化について少し触れたいと思います。
1970年代頃までのレジスターは、”register(登録する)”という英語の通り、販売記録を登録する機能が主でした。
この付加的な機能として、お客さんのために、レシートを発行する、合計金額の金額が表示される、などの機能はありました。
しかし、1970年代も後半に入るとレジスターの役割が大きく変化し始めます。

POSシステムに大きな変化を与えたのは、共通商品コードの制定である。米国では1973年にUPCコードが制定され、日本では1978年にJANコードが制定された。これにより単品管理が可能になった。そしてレジスターは、単なるレジ作業の合理化だけでなく、商品政策、在庫管理、発注管理など小売業での利益に直結するシステムの重要な機器であると認識されるようになったのである。
出所:レジスターの歴史

1978年に制定されたJANコード(いわゆるバーコード)のおかげで1店舗だけではなく、店舗間で共通化させて商品を管理できるようになりました。
これによりレジスターはPOSデータの入力機器としての役割を担っていくことになりました。
(このようにPOSシステムと結びついたレジスターを特に「POSレジスター」と呼びます。)
現在では、チェーンの小売店では当たり前のようにPOSレジスターを利用しています。
そして、POSレジスターを通して収集したPOSデータをいかに効果的に活用するかという段階に来ています。
(「POS」の説明は『POSデータとは ~何が、いつ、どれだけ、いくらで売れたのかが分かる~|データ分析用語を解説』をご覧ください)

レシートはPOSデータの一部が表に出てきたもの

上述のように、現在では多くのレジスターがPOSデータの入力機器としての役割を担っているわけですが、以前と同様にレシートを発行する機能も備えています。
そのため、顧客の購入した商品の記録を、一方ではPOSデータとして管理し、一方ではレシートに記載する内容として利用していることになります。
言い換えれば、POSレジスターは、登録されたPOSデータのうち顧客に必要なデータを抜き出して、レシートを作成していると言えます。
「レシートにはPOSデータの一部が表に出てきたものである」と意識しながらレシートを観察してみると、POSデータがとても身近な物に感じられるでしょう。

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