小売の現場は「脳内データ」を分析している。

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eyecatch_monologue_of_graffe

本記事は、株式会社ギックスの運営していた分析情報サイト graffe/グラーフ より移設されました(2019/7/1)

 ヤンキーの「彼」を例にとって考えてみよう

「彼」の毎朝

私が大学生の頃、下宿先の裏手には地元の主婦がよく利用する食品スーパーがありました。毎朝、発泡スチロールのすれる音(キュッキュッという耳障りな音)で目覚め、深夜は商品搬入のトラックの作業音が遅くまで響くという、環境で大学の4年間を過ごしました。
ガラの悪い土地柄のせいなのか、それとも「彼」だけなのかわかりませんが、非常に口うるさく罵る「彼」は、特徴的な声で朝から眠い私のことなど考えず、部下(と思われる)人に、大声で怒鳴りつけます。
最初の頃は、雑音にしか聞こえなかったのですが、よくよく聞いてみると意外と面白いことを言っています。

  • 「XXさん、今日雨降るのに、こんなにサバ仕入れてどうするの?!」
  • 「明日、XX小学校で運動会があるのに何でウインナーがこれだけしか仕入れてないの?!」
  • 「こんなところにイカのゴンドラ置いたって素通りされるだけでしょ?!」

(*注 実際の怒鳴り声はもっと下品な言い回しでしたが・・)
「彼」がどんな顔で何年この仕事に従事しているのか、前職がなんだったのかは今となっては知る由もないですが、街のスーパーには「彼」のような勘と経験で仕入れや店の品ぞろえ、棚割を決めているひとが多いのではないでしょうか。

データが見れない不幸

いま振り返ると、実は「彼」は「彼」の脳内に持つビックデータを分析していたのかもしれません。しかし、「彼」のデータベースにアクセスできるのは「彼」だけなので、言われている部下の人は4年間たっても何一つ変わらず、毎朝怒鳴りつけられていたのです。(そう、まるで理不尽に・・。)
さらに問題があるのは、本部からの指示が「彼」にしっかり伝わらないという事態が起きている(であろう)ということに感じました。本部からの指示が「彼」の脳内データベースと一致していれば、勘と経験とデータの3つが一致して、現場の部下も機嫌の良い「彼」とスムーズな一日が遅れることでしょう。しかし、本部からの指示が「彼」の脳内データベースと一致していない場合が問題です。その朝は、
「なんだよ、このアイスクリームセールって指示は!この店は平日はアイスとか売れないのに!」
「だいたい、現場を見てもいない奴が勝手に指示とか出してくるなよ!」
と怒号が舞うことは想像に難くないでしょう。(おそらく部下の人は理不尽に怒鳴られることになっているのですが)

勘と経験の「彼」にデータを渡すと・・。

本部がもし、データを使って、「彼」に対して「これこれこういうデータがあるからこういうセールをしよう」と提案したり、「データからはこんな風になっているのだけど、実際現場ではどうなっているのかな。どうしたらいいと思う」などとわかりやすく説明すれば、口は悪いが、脳内に素晴らしいデータベースを持つ「彼」は喜んで、様々な仮説を聞かせてくれたことでしょう。
もし、彼がデータに興味を持って、自分で「こんなデータを毎日よこせ」と言い出した場合、その店はもう何も心配いりません。売上がうなぎ上りに上がっていくでしょう。(いや、データに裏打ちされた“罵り”になって、余計周りの店員から嫌われ、店内がギクシャクするだけかもしれませんが・・。)

graffeは「勘と経験を、データで裏打ちする」ことを目指しています

そんなヤンキーの「彼」でも見やすくそしてわかりやすいデータセットが毎月届き、自分の勘と経験のブラッシュアップに役立つ。そんな世界こそが、真に「データを活用している世界」ではないかと思うのです。
データビジュアライズサービス graffe/グラーフでは、勘と経験をデータによって裏付けすることにより、小売の現場の「データ活用」を推進したいと考えています。

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