マイクロソフトがRedshiftに相当するデータ分析基盤サービスを発表
弊社が提供している各種サービスの裏側で活用しているデータ分析基盤は、特定企業のものを利用するという紐づきはなく、その時々においてよりよいサービスを利用するスタンスでいます。現時点では、弊社の提供するサービスのスピード感に適応し、また使い勝手もよいということで、データ処理部分は、Amazon Web Servicesの提供するデータベースサービスの「Redshift」を、分析結果をビジュアライズするためのツールとしては「Tableau」を主力基盤として利用することが多いというのが実情です。
ただ、常にその時々に弊社により適したサービスを求めていますので、先日マイクロソフトから発表された無償のクラウド型のPower BIの新サービス開始のニュースも非常に好意的に受け止めています。モバイルでの分析結果の閲覧を含め、よりよいサービス提供が可能になるポテンシャルを感じました。
一方で、もしPower BIのクラウドサービスを採用したとした場合、その上流にあたるデータ処理部分はAWSのRedshiftに代わるものがなかなかないと感じていました。そこの部分でAWSのRedshiftでデータを処理した後、そのフロントをマイクロソフトのPower BIにするってどうなのかと感じていました(笑)。クラウド跨ぎ(※)をするとそこでまた手間もコストもかかりますし(※ここでいうクラウド跨ぎとは、AWSのクラウド⇔Microsoft Azureのクラウド間でデータを転送して一連の処理を行うこと)。
しかしそこはマイクロソフトさん、やはりRedshift相当のサービスを出してきましたね。マイクロソフトは米サンフランシスコで開催中のイベント「Build 2015」において、クラウド上でデータを統合、分析する基盤となるサービス「SQL Data Warehouse」を発表したとのことです。
[速報]マイクロソフト、クラウドのデータ分析基盤「SQL Data Warehouse」発表。Amazon Redshiftに対抗。Build 2015
インスタンスの一次停止と再開ができる
記事の中を見ると、SQL Data WarehouseとRedshiftの比較表がありました。
(出所:『[速報]マイクロソフト、クラウドのデータ分析基盤「SQL Data Warehouse」発表。Amazon Redshiftに対抗。Build 2015』記事内)
これを見ると、SQL Data Warehouseはその拡張が早く、「一時停止」と「再開」が(瞬時に?)できるというところに差がありそうです。確かに弊社でもRedshiftをあげっ放しにしておくと、コストがかさむので夜間にはRedshiftを落とし、朝方に上げるという自動プログラムを作って運用していますが、その落してあげるというのには数時間かかっているので、そこが瞬時にできるとすれば魅力的であります。それでトータルコストがどうなるか見てみたいですね。
この記事からはわからないですが、なんにせよ弊社が一番注目するのはSQL Data Warehouseのデータ処理のパフォーマンスです。かなり大きいデータをSQLで処理する機会が多いので、そのパフォーマンスがRedshiftと比べてどうであるか、今後検討を進めていきたいと考えています。ここが十分なパフォーマンスを発揮するのであれば、Power BIと組み合わせて、Azureクラウド内で完結する分析サイクルが実現されるということになるので、期待は大きいです。
ともあれ、大規模データを分析する基盤や、BIツールにどんどん選択肢が増えていくことは、分析提供者や実施者にとっては非常にありがたいことですね。今後とも新情報をウォッチしていきたいと思います。